勝てばなんでもええ事よ

 調子の出ない水道橋に2連勝したものの、パウエルが中五日で来ると聞いて早々に戦意を喪失した牛自慢は、あろう事か高卒18歳のルーキー山口投手をあてがい、3戦目を負けに行った。しかし何故か初回に1ヒットで2点などと、普段では絶対に出来ない攻撃を見せて切羽詰ったファンの感情を逆なですると、肝心の山口も空気を読めない好投を披露。
 初登板で勝利などと、大洋の新人らしからぬデビューをした山口投手は、よせば良いのに「自己採点は60点」等といらんコメントをすると、佐伯の真似でもしたのか村田まで余計な事を言い出す始末。滅多に勝てないだけにたまに勝てると有頂天になるのは分からないでもないが、「余計な事を言うから」・・・と言われる日が来るのはそう遠くないであろう。


  <感想>
 折角の生観戦なのでもう少し感想を。山口投手ですが、これだけの素材は久しぶりにみました。187センチの恵まれた体格で、四股で鍛えたと言う下半身は強靭で、その一方で腕の振りはしなやか。大型投手はともすれば柔軟性に欠けることが多いのですが、非常に安定感のあるいいフォームです。これだけの投手がどうして競合にならなかったのか。


 投球内容ですが、直球の最速は148キロでこれは初回に計測しました。この回は140中盤の直球で押す場面が多かったのですが、2回以降はややシフトチェンジしたのか、140をやや越す程度の球速で、逆にコントロールに注意して投げている印象を受けました。
 直球の質の良さは折り紙付きで、思った以上に手元で伸びるのでしょう、何度も打者が打ち上げているシーンを見ました。亀井に一発を浴びましたが、伸びの割に軽い・・・と言う事もなさそう。5回、6回あたりはさすがにちょっとばててきたのか、やや威力に陰りが出た面も。ただ、スタミナ作りなんてものはこれからいくらでも出来ます。今回は初登板と言う事を斟酌すれば上々。
 

 変化球は110キロ前後の大きなカーブに、130キロ前後の落ちる球。それに125キロ程度のスライダーと思しき球があったように思います。去年出場した選抜ではカーブと真っ直ぐしか投げていなかったと記憶していますが、プロに入って球種を増やした模様。たまにすっぽ抜けるシーンもありましたが、変化球でカウントを取れているのは素晴らしい。このまま磨いていってもらいたいです。
 素材型と思いきや、思った以上に実践的な一面も見られ、2軍で非常に被安打が少なかったのも納得。三振を取れる球を持っているのも素晴らしく、無四球というのも高卒ルーキーっぽくありません。お茄子投手よりも現段階でまとまっているんじゃないか、とすら思えました。


 今後はローテーションで回すのか、それとも中継ぎ待機で谷間に回す程度なのか分かりませんが、目先の勝利のためだけに使うような真似だけは絶対に止めてもらいたい。絶対に育て上げなければならない素材です。まあ、牛島さんなので大丈夫だとは思いますが。


 そして今日から吉村選手が復帰。小池、古木といった所が好調なのでいきなりのスタメンは厳しいでしょうが、まずは一歩ずつ結果を出していってもらいたいです。
 ・・・誉めすぎてさすがにちょっと気持ち悪くなりましたw。