いくら自虐ネタ好きでももう無理

 さすがに追いつかない程度の反撃、形だけの一発逆転を書きつづけるのはしんどいので今日はパス。神奈川テレビが必死に一打サヨナラを主張しつづけていたのには何ともいえない気分にさせられました。


 今日のテーマは牛島采配を考える。最近の連敗でHPやブログでは叩かれっぱなしの組長ですが、そんなに酷い采配はしてないと思うわけです。彼の采配の特徴は大まかに言うと
①守備重視の守りの野球
②ベテランを重用
③攻撃はバントを多用。打線は固定する事が多い


 といったところに集約されると思います。そしてこの基本方針事態は間違っていないと思います。正直戦力が足りているわけではないチーム(特に4番なんて酷いもんだ)が何とか勝っていこうとしたら、投手陣を整備して接戦をものにしていくしかない。なので基本方針として守りの野球を掲げたのは間違いであったとは思わない。序盤こそ嘘魔神で落とす試合も多かったが、彼がいなくなってからは先発、中継ぎ、抑えと整備して戦える形を作った。
 特に微妙な投手でしかなかった顎兄、土肥を先発の柱にしたのは立派。何となく最近の批判を見ると「彼らは勝手に育った」みたいな書かれ方をしている事が多いが、嘘番にせよ他の二人にせよ、牛島さん無しでは去年の活躍はなかった。
 中継ぎに関しては、前年中継ぎとして安定していた川村、木塚を軸にし、ビハインドの時には若手を投げさせてゲームを作る、先発が早く降りてしまったら加藤を出す、という方針はしっかりしていた。確かにこのやり方だと負けそうなときは負けてしまうのだが、そこまで戦力がないチームにおいてはやむを得ない選択だったといえよう。
 押さえについてはノーコメント。クルーンをものにしたのは凄い手腕だった。


 攻撃面に関しても一応検討を。去年前半は6番左翼を固定できなかったために、上位以外では点を取れない打線だった。そこで種田を2番から6番に下げ、2番は内川、小池、古木等を使っていた。作戦は極めてオーソドックスで、連打ではなく犠打を含めて確実に一点を取りに行く野球。これも間違いだったとは思えない。マシンガン打線で勝てていた頃のような攻撃力はない以上は一点を確実に取りにいって、整備した投手陣で守り抜いた方が勝てる確率は上がる。一点を守り抜かないといけないのだから、当然守備も上手い選手を重用することになる。
 ベテランの重用に関してだが、これはまずは安定しているベテランでチームを作り、その上で若手との競争を促そうという含みがあったのではないか。


 この作戦で去年はAクラスになった。ファンとしては久々の定位置脱出で気分は良かっただのだが、問題はこれから先である。最下位脱出は一応の目的であり、最終的には優勝できるようになってもらわなければ困る。牛島氏への不満はこの点にある。すなわち、去年のやり方をそのまま続けていったとして、果たして優勝できるのか。
 あえて率直に言おう。無理である。去年のやり方では戦力通りの力しか出せない。そしてそれでは選手が持ちうる力を出し切れたとしても「5割、3位」が一杯一杯であろう。残念だが現状ではその程度の戦力しかいない。


 それではどうするべきか。大型補強(あまり好きではないのだが)か、若手を中心とした戦力の底上げが必要になるだろう。去年高額選手を何人も切ったので、今年はある程度補強も期待できるかもしれないが、それはシーズンが終わってからの話。もし本当に優勝したいのであれば、今やるべき事は「若手の起用」である。(前述の理由で今年の優勝はどうやっても無理である。)
 この点に関しては牛島氏だけを責める訳にはいかない。そもそもが外様の監督であり、チーム内での勢力は弱い。去年の嘘魔神を見ても分かるように、ベテランを外すにも相当苦労しているようである。しかし、雨が降ったので若手は先発の機会がなくなる、上でベテランがいるので下でいくら打っても上に呼ばれない・・・というのではいつまでたっても強くならない。
 

 この点は打線の組替えについても言える。チームが不振の時に積極的に変えていくタイプの監督と、変に動かないタイプの監督がおり、牛島氏は後者である。これに関しては考え方の問題であり、変えないことは決して悪い事ではない。が、先ほどもいったように、現状の戦力では優勝は無理である。ならば目先の勝利を追わないで色々な可能性を試すべきではないのか。
 例えば小池。バントは上手いが、長打力もある。走者が出たときには必ずバント・・・では主軸を打てる可能性を消す事になってしまわないか。

 
 勿論、ただ若手を使えば良いという訳ではない。競争もなしにレギュラーを与えるべきではないという理屈も分かる。だが正直、今のベテランはこれから能力が上がっていく事はない。安定しているがそこまでである。本当に何年か先に優勝したいなら、今は目先の勝ち負けは度外視して、無理してでも若手を使うべきだ。
 例えば南(竜介)という選手がいる。去年は2軍で三冠王級の働きをしていた。プロでもトップクラスの強肩でもある。しかし、一軍に呼ばれても出番がなく、たまの代打では結果も残せないままであった。たしかに投手なら中継ぎから這い上がっていく事も必要であるが(それだけ出番も多いわけだし)、野手に関してはたまに代打で出てきても、急に一軍の投手の球を打てるはずがない。上げるならある程度の出場機会を与えるべきであろう。
 

 長くなってしまったので纏めに入るが、今やらなければいけないのは「若手を中心に戦力の底上げをはかること」である。確かにチャンスは自分で掴むものなのだが、現状はあまりに若手が台頭する機会が少なすぎる。ファンが一番不満なのは負けが混んでいる点ではなく、希望のない状態で負けてしまっていることなのではないか。
 そう考えると、球団内に後ろ盾の少ない牛島氏は確かに適任ではなくなってしまう。若手の起用という点では大ちゃんの方が良かったぐらいである。生え抜きの大ちゃんが倒れてしまった以上仕方なかった面はあるのだが、出来る事なら投手コーチとして入ってもらうべきであった。
 彼が来年も指揮をとるかは定かではないが、とりあえず今やるべき事は「数年後に優勝できる戦力を整えていく事」である。まだ始まって2週間弱である。なんとか改善をお願いしたいと思う次第である。