ドラフト総括

 纏めて載せると容量が多すぎるので3球団ずつにでもしようかと。
 分離だとちょっと分かりにくいので、2004年までの合同ドラフトだったらどういう指名になったのかを考えてみます。

横浜ベイ

高崎健太郎日産自動車
2 木村 雄太 (投) 東京ガス
4 北 篤 (投) 小松工高
5 梶谷 隆幸 (内) 開星高
6 下園 辰哉 (外) 九州国際大
7 高森 勇気 (捕) 中京高
8 下窪 陽介 (外) 日本通運
9 吉原 道臣 (投) ホンダ

 社会人で最も評価の高い左右の両投手を獲得。高崎は150キロの真っ直ぐと抜群の切れを誇るスライダーが魅力の本格派。字面だけなら物凄くいい投手に見えるが、個人的にはアレ様にしか見えないのが悲しい所だ。木村も素材型ながら対左打者には抜群に強いのが魅力。対左のワンポイントなら即戦力だろう。先発にするなら右打者への攻めのバリエーションを増やす事が必須になるが、うまくいけばエース級になりうる素材。勿論、拒否されなければだが。
 
 高校生の北は、初めに入札された5人には及ばないものの、決め球があるまとまった投手。来年からシーレのローテに入るだろう。チームに不足気味の左打ちの内野手として梶谷、外野手として下園を獲得。これも補強ポイントによくあった指名といえる。
 
 下位の二人はよく分からない。下窪は三拍子揃った外野手だが、右打ちで27歳。多村、小池、吉村、場合によっては内川と揃っている右の外野手指名の意図はなんなのか。誰かしらをトレードに回して左投手の獲得を目指す・・・という事か?即戦力になり得そうなのは吉原だが、詳しくはよく分からない。日大出身らしいが、堤内みたいなものか?リリーフ専門の社会人で、ボールに威力はあるが劇場型との事。
 
 補強ポイントは概ね抑えられており、木村の強行などはウェーバー下位の利点をうまく生かした指名といえる。従来はこの順位では取れない、という選手も多い。
ただ、指名は素材型に偏っており、即戦力という面ではやや見劣りする。欲を言えば左投手がもう一人欲しかった。青木は残念。
 田中が取れていれば歴史に残る指名になったかもしれないが、それは贅沢というものか。83点。(高校生38点、社会人45点)

楽天イーグルス

1 田中 将大 (投) 駒大苫小牧
3 永井 怜 (投) 東洋大
4 嶋 基宏 (捕) 国学院
5 横川 史学 (外) 青山学院大
6 渡辺 直人 (内) 三菱ふそう川崎
7 山本 大明 (捕) 尾山台

 田中投手が取れたのは大きいが、課題の左投手が結局指名できず。永井投手も悪くは無いが、一巡にしてはやや見劣りがする。その後も内野、外野を一通りは指名したものの、それほど評判の選手というわけでもなく、ちょっと数合わせになってしまっているようにも思える。
 新しい球団という事で、スカウティングに多少の不利があるのは仕方ない所だが、それならそれで多少のリスクは承知で有力候補を強行するなり、広島・ロッテのように高校生を重視するなりの工夫が必要なのではないか。
 やや厳しい言い方になるが、こんなドラフトを続けていてはいつまで経っても強くなれない。田中を当てているので73点。(高校生43点、社会人30点)

広島かープ

1 前田 健太 (投) PL学園高
3 宮崎 充登 (投) ホンダ鈴鹿
4 上野 弘文 (投) トヨタ自動車
5 青木 高広 (投) 日産自動車
6 会澤 翼 (捕) 水戸短大付高
7 中東 直己 (外) ホンダ鈴鹿

いつもは完全に独自路線のカープだが、今年は他の球団と候補がかぶる事が多かった。不作だからだろうか。投手が課題だったこともあり、今年も投手を集中的に指名する事になった。
 前田投手はまとまっていながらスケール感の大きな好投手。将来のエース候補となりうる素材であろう。
 宮崎投手は年齢が高いこともあり、希望枠としてはやや見劣りするが、「球の勢いで押せる投手」を補強ポイントとしてあげていることもあり、上野投手共々その点では見事に一致している。青木投手で左腕の補強が出来ているのも○。何よりも今年は他球団との競合に怯まずに向って行った態度が良い。
 高校生は分離ドラフトの弊害からか、候補を目の前で持っていかれつづけたために思うような指名ができなかったが、大学社会人でその分を見事に取り戻せたのではないだろうか。84点。(高校生42点、社会人42点)