感想の続きはこっちで

 この作品、初めは推理物、というスタンスで登場してきましたが、この謎を全部解くのは無理です。おそらく長い時間のかかる作品なので、興味を継続してもらうために推理物というスタンスにしたのではないかと思いますが、これが全部解けたら作者になれます。普通に考えていたら辿り着けない事が多すぎる。そういう意味で推理物、としては破綻しています。
 
 ただ、それならこの作品はダメか、と言われるとそんな事はない、と思います。(まあ、自分はこの作品の信者みたいですから話半分でいいですが)。肝心な所には殆ど触れないような書き方だからこの作品の価値が高まったと言うのもまた事実。推理物、といったのは失敗だったかもしれませんが、色々考えることで結果的に謎解き編の方の輝きも増した、と自分は思います。
 もちろん、真面目に解答を考えた立場からは「馬鹿にされた」と思う部分も多いです。ちょっとあんまりかなと思う部分も多かった。正直この話を謎かけだけで全部解くのは痕なり月姫なりでバットエンドだけ見せられて世界観を全て言い当てろ、と言われているに等しい。一部の謎解きは可能かも知れませんが、それも世界の特殊性を説明されていないとかなり難しい。
  
 そういう意味では推理物としては評価できませんが、それでもこの作品は面白くなかったかと言われるとそんな事は全くない。エンターテイメントとして考えると実によく出来ていた。全てを自力で解けないことを許せない、それだけの理由でこの作品を否定したくはない。そう思わせるだけのものがあった。寝る間を惜しんでやるほど、純粋に文章を読むことが楽しかった。
 それならこの作品をどう考えたらいいのか。申し訳ないが眠くてまとまらないので明日に持越しです。どうしたものですかね。